
日本では、どちらかというと、個人よりも集団の和をたいせつにし、自分を殺すことが美徳とされます。
ときには、「勉強のできる子、素直なよい子」を理想とする、同じことが良いという日本的な教育観の中で、個性を殺されて、犠牲になっている子どもたちも多いのではないでしょうか?
わたしたち教師は、その理想像の鋳型に生徒を押し込むことが指導だと思っていなかったでしょうか?
生徒の個性を伸ばすよりも、教師にとって都合のいい、教師から言われたことを何も考えず、素直に実行するという人間を作ることに一生懸命ではなかったでしょうか?
この理想像に当てはまらない子どもたちは、どんなに苦しんでいることでしょう。
セルフエスティームの低い子どもたちを大量生産してしまっているような気持ちがしてなりません。
「普通がいい、みんなと同じがいい」という文化の中で育ってきた私たちにとっては、個性を伸ばすと言うことはたいへんなことです。
これまでの考え方を変えるというのは、なかなかできることではありません。
心理学者のユングは、「人の一生の課題は、自分の影(かげ)を克服し続けることである」と言いました。
「影」とは、これまで自分が否定してきた価値観のことです。
影は、いろいろな形でわたしたちに、自己の成長を迫ってくるのです。
生徒や友人、職場の仲間であったり、本や映画や芸術であったり、それは、わたしたちの魂をゆさぶります。
そして、影と向き合うとき、新しい価値観を自分のものとすることができ
人はさらに成長して、豊かになっていくのではないでしょうか。
to be continued ……….
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