高校教師時代、アメリカの言語学者・クラッシェンのインプット理論との出会いが、わたしの英語指導の基礎となっています。
英語教師になって、教え方もよく分からなく、生徒ともぶつかって、悩んでいたときに出会ったのが、「新英語教育誌」です。
全国の、小学校から、大学までの英語の先生方の研究会で、この教育誌から、たくさんのことを学び、英語の指導をたのしいと思えるようになりました。
新英語教育研究会との出会いに、とても感謝しています。
そして、その中で、紹介してあった、「クラッシェンのインプット理論」の連載を食い入るように読みました。
その部分だけ切り取って、いつでも読めるように持ち歩きました。
クラッシェンのインプット理論は、英語指導、英語学習の?希望?でした。
その後も、様々な英語指導の研究、指導法が発表されていますが、わたしが一番、感動して、自分の中に取り込んだのが、「クラッシェンのインプット理論」です。
これを、みなさんに、わかりやすくシェアさせていただきます。
?learning (学び)
授業などで、テキストを使って、学ぶこと。
?acquisition(獲得)
赤ちゃんが言葉を覚えるように自然な英語の環境で英語を習得すること。
英語習得においては、learningは、acquisionに比べて、それほど、役に立っていない。
つまり、意識的に学習するよりも、無意識的に覚える方が英語の上達が早い。
これを読んだとき、「なるほど!」と目の前の霧が晴れたような気がしました。
私は、中学、高校、大学の英文科で英語を学び、英語の教師をしているのに、どれだけ、勉強すれば、英語をマスターできるんだろうかと、苦しい思いをしていたからです。
日本のこれまでの英語教育では、「文法」という言葉を運ぶ船を重視してきました。
この船さえしっかり教えておけば、どんな言葉の荷物も運ぶことができるようになるだろうと。
そして、文法を教えることに力をつくしてきました。
でも、日本の英語教育は、中、高、大と10年間も英語を教えているのに、英語はほとんど話せず、手紙一本書くのさえ難しい状態です。
クラッシェンは、
「船についてのくどくどと細かい説明は、置いておき、どんどん荷物を運ばせなさい。」と言っています。
どんどん、荷物を運んでいる内に、船はしっかりしたものに、なっていきます。
そして、その方が、早く実際に使える船を作れると。
この船は、生命体のようなもので、どんどん荷物を運んでいる間に成長を続け、しだいにしっかりとしてくるのです。
つまり、文法にそれほどこだわらず、
できる限り、多くの英語の本を読む、
英語を聞く、
しかも、自分にとって意味のある英語にたくさん接すると言うことです。
この、大量に接するということが、とてもたいせつです。
そうすると、自然に、言葉を運ぶ船である、英語力がしっかりとしてくるのです。
具体的に、意味のある英語を大量にインプットするには、どうしたらいいのかは、また次回お話し致します?
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