映画『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』戦争が会議室で起こる時代

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皆様こんにちは。毎週おすすめ映画をご紹介いたします小西です。

本日ご紹介するのは2015年公開、ギャヴィン・フッド監督の映画『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』です。

 

 

イギリス軍諜報(ちょうほう)機関のキャサリン・パウエル大佐(ヘレン・ミレン)は、ケニア・ナイロビ上空の偵察用ドローンからの情報を基に、戦地からほど遠いロンドンでアメリカとの合同軍事作戦を指揮している。大規模な自爆テロ計画の情報をキャッチした彼女は、アメリカの軍事基地にいるドローンパイロットのスティーブ(アーロン・ポール)に攻撃を命じるも、殺傷圏内に少女がいることが判明し……。

偵察ドローンを使用した対テロ作戦遂行の中、真の正義とは何かを問う軍事サスペンス。

 

 

地球の反対側の安全な指令室にいながら目標の監視や爆撃を可能とした軍用ドローン。命の危険を冒すことはないが日常と戦場を行き来するため操縦者への精神的負担が大きく、また、爆撃の巻き添えや誤射による民間人の犠牲者も少なくなく問題視されている。今作はそんな軍事ドローンによる無人爆撃が抱える深い闇を描いた作品。

この作品はドローンの操縦者のみならず、作戦にかかわる様々な人々の人間模様を同時進行で描いている。先ほどまで孫へのプレゼントに悩んでいた中将が、会議室に入ると爆撃の巻き添えになるであろう少女をあきらめるか否か政治家たちに問う冷徹な軍人に変貌するさまであったり、どうしても作戦を遂行させたい軍大佐であったり、登場する人物たちの思惑や心情が見え隠れしながら物語が進行していきます。戦争を扱った映画でありながら物語のほとんどが会議室で進んでいき、まさに命が天秤にかけられていく様子がリアルに映し出されています。

現代の戦争のあり方と真の正義とは何かを問う衝撃作です。この映画が自らの目にどう映るかはぜひ皆様の目でお確かめください。

 

 

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