映画【あの日のオルガン】戦火の中53人の子どもたちを託された保母たち

あの日のオルガン Candy's Review

実話を元にした、とても、とても、いい映画でした?

太平洋戦争末期、

20代を中心とした若手保母さんたちが、

幼い「いのち」を守るため、

53人の園児を連れ、

まだ誰もやったことのなかった集団疎開を敢行した

「疎開保育園」❗️

 

埼玉県、蓮田市の妙楽寺というお寺に疎開した実話です。

 

東京大空襲前、

だれも、そんな恐ろしいことが起こるとは予想もしていない中で、

品川の戸越保育所で、保母(保育士)たちが、園児たちの疎開を呼びかけます。

「東京でそんなことが起こるはずが無い!」

「保母さんは、独身だから子どもと引き離される親の気持ちがわからない!」

という反対の声を浴びながらも、

あきらめず、保護者たちを説得する保母のリーダー楓(かえで・戸田恵梨香)

 

ナショナリズムを誰もが信じる中で、

国民の文化を踏みにじる戦争に対し、

怒りの乙女❗️

を凛々しく演じています。

 

みっちゃん先生(大原櫻子)は、

いつも失敗ばかりのおっちょこちょい。

怒りの乙女❗️主任保母の楓から、いつも怒られてばかり(笑)

でも、子どもの心を持ち、

子どもたちに慕われ、

オルガンと、歌声で、周りを明るく元気にします。

若い保母たち全てが、

自然で、優しく、

運命を切り開く力を発揮していきます。

しかし、戦火の犠牲になる保母も、

その魂を想い涙があふれました。

 

長崎原爆では、7万4千人が亡くなりましたが、

東京大空襲では、約10万人の方々が亡くなりました。

東京大空襲が、幼い子どもも、女性も、お年寄りも、

市民を無差別に焼き尽くした、

そのすさまじさが映画から伝わってきます。

こんなにも悲惨なものだったなんて!!!

 

 

やがて、疎開先の埼玉にも、

アメリカのB29が迫ってきます。

 

絶望の中で、

「もし、ここも空襲を受けて、みんな死んでしまったら、

わたしたちの疎開はどんな意味があるのかな」

と、問う、みっちゃんに、

友だちの保母、咲子(白石糸)は、答えます。

 

「悪あがき、かな」

 

絶望的に思える状況でも、

最善を尽くす!!!

 

人間は、いつかは、みんなが死んでしまう運命です。

”Sapience” の中で著者が、

「人間の歴史は、その始まりから、

生き延びるために、自分の集団を守るために、

他の国を侵略し、殺戮してきた。」

というエピソードを繰り返し述べている中で、

平和の意味を考えます。

 

すべての人間の集団が文明の進化の中で、

他者に共感する力を育て、

他者を抹殺、殺戮することなく、

豊かに生きることこそ、

この保母たちが、思いの限り、知恵の限りをかけて、

挑戦したことなんだということを。

 

人間はいつかは、死ぬ運命だけど、

どんな風に死ぬかが、大切なんだと。

 

どんな風に生きるかが大切なのだと。

 

 

以前、紹介した、

「約束のネバーランド」にも同じテーマが流れています。

現代を生きる若い人たちに、

 

一人一人を大切に思い、

 

「誰も殺されたりしない世界を作る❗️」

 

という思いが受け継がれていくのを、

頼もしく思います。

 

メガホンをとるのは

『ひまわりと子犬の7日間』の監督であり、

長年山田洋次監督との

共同脚本、助監督を務めてきた

平松恵美子さんです。

 

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この記事を公開してすぐ、

植野由希恵先生(埼玉新英研)よりメッセージをいただきました?

「埼玉県蓮田市が舞台になっています。蓮田市の妙楽寺というお寺に疎開した実話を元にした映画です。昨年11月の朝日新聞にも映画の紹介が載っていました。蓮田市では市民の有志が映画を支える「市民の会」ができて、会員は300人を超えています。ぜひ、皆さんに見ていただきたいです。」

 

 

ぜひぜひ、みなさんもこの映画を見られて、

戦火の中の、「疎開保育園」の物語を、

心の中に共有しましょう❗️❗️❗️

 

 

 

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