映画『ブリグズビー・ベア』嘘の教育番組に育てられた青年のハートフルストーリー

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皆様こんにちは。毎週おすすめ映画をご紹介いたします小西です。

本日ご紹介するのは2017年公開、デイヴ・マッカリー監督の映画『ブリグズビー・ベア』です。

 

 

25歳のジェームスは、物心ついたときから外の世界を知らず、小さなシェルターで両親と一緒に生活してきた。毎週ポストに投函される教育ビデオ“ブリグズビー・ベア”を見て成長してきた彼は、映し出される世界の研究に没頭する。ある日、突然ジェームスは警察に保護され、自分が生まれて間もないころ誘拐され、誘拐犯である偽の両親に育てられていたことを知る。

25年間、外の世界を知らずに生きてきた青年と家族、親友たちが、偽の教育番組でつながっていくヒューマンドラマ。主人公の育ての親の役として『スターウォーズ』シリーズのマーク・ハミルも出演。

 

 

「25年間幽閉の身であった主人公」というシリアスな設定とは裏腹に、超純粋に育ったジェームスはいい意味でぶっ飛んでいて、物語にいいテンポを生み出しており、単純ないい話としてだけでなくコメディとしても楽しめる作品です。

ジェームスの育ての親であるテッドが自主制作した教育番組「ブリグズビー・ベア」。安っぽい特殊効果やセットでありながら妙に作りこまれた世界観とボリューム(VHSテープで前736話)で、外の世界に出た後もジェームスの心を魅了し続けます。カルチャーショックや初めての友達など新たな経験を日々楽しみながらも、彼の心には人生のすべてであった「ブリグズビー・ベア」が居座り続けます。そんな中彼は家族や新たにできた親友達を巻き込み「ブリグズビー・ベア」の新作の制作を決意します。自らのクリエイティビティに火をつけていく主人公とそれに感化される周りの人々の姿に、思わず心打たれてしまいます。

やがて、新たな一歩を踏み出し始めたジェームスと人生の師である「ブリグズビー・ベア」の奇妙な関係が、今までに知らなかった世界を広げていき、社会復帰の後押しになっていきます。ジェームスを閉じ込めておくための道具であったはずの「ブリグズビー・ベア」が自らを表現するツールとなり、一種のセラピーとして助けになっていく過程が、素晴らしい脚本で描かれています。

シリアスな設定とジョークやコメディ、劇中の「ブリグズビー・ベア」のコミカルな映像が見事な表現力で融合された素晴らしい作品です。是非一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

コメント

  1. りた より:

    すっごくおもしろそうですね。見てみたいです、