国連 SDGs(エスディージーズ)って 聞いたことありますか? その18 目標 15 陸の豊かさも守ろう

国連SDGs

「SDGs(エスディージーズ)」という言葉を聞いたことがありますか。最近、新聞やテレビでよく見たり聞いたりするようになりました。けれども、日本ではまだまだ多くの人がSDGsがどういうものなのか、私自身を含めてよくわからないというのが現状ではないでしょうか。

「SDGs」とは、「Sustainable Development Goals」の略で、2015年9月に国連サミットで決められた「国際社会共通の目標」のことです。17のゴール(目標)・169のターゲット(具体的な目標)を決めています。

前回にひきつづき、SDGsの具体的な目標について調べてみました

失われていく森

世界の陸地の面積の4分の1が森林です。豊ゆたかな森は生き物たちが暮らす場所というだけでなく,酸素や土を作り,水をたくわえます。しかし,今,世界では,1年間で約521万ヘクタール以上の森が失われています。これは1分間に東京ドーム2個分の森がなくなる計算です。このままのスピードでいけば,豊かな森は100年後にはなくなる,という予想もあります。

森がなくなる原因は,砂漠化や酸性雨などの気候変動の影響,森の生態系を無視した無計画な森林の伐採,人口が増えて都市化が進んだことなどあります。いつまでも豊かな自然と暮くらしていくためには,森を守り,再生していく行動が必要です。

絶ぜつ滅めつの危き機きにある生物たち

全世界には知られているだけで,175万種の生き物が暮くらしています。そのうち約2万6000種の野生生物が絶ぜつ滅めつの危き機きにある「レッドリスト」として指定されています。

 

(記事・図は東京書籍EduTown SDGsのページより)

 

目標 15 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

Goal 15 Protect, restore and promote sustainable use of terrestrial ecosystems, sustainably manage forests, combat desertification, and halt and reverse land degradation and halt biodiversity loss

16億人近くが生計を森林に依存し、その中には7,000万人の先住民が含まれます

なぜ、この目標が設定されたのですか。

森林は、地球上の陸地面積のほぼ 31%を占めています。私たちが吸う空気から私たちが飲む水、さらには私たちが口にする食料に至るまで、森林は私たちの生命を維持する役割を果たしています。考えてみてください。約 16 億人が生計を森林に依存しています。
世界の貧困層のほぼ 75%は、土地劣化の直接的な影響を受けています。陸生動植物・昆虫種全体の 80%以上が森林を住処としていることはご存知でしたか。しかも、すでに知られている 8,300の動物種のうち、8%はすでに絶滅し、さらに 22%が絶滅の危機に瀕しています。
生物多様性とこれによって支えられる生態系サービスは、気候変動への適応と防災に関する戦略の基盤にもなりえます。気候変動の影響に対する人間のレジリエンスを高めるような恩恵を提供きるからです。
森林と自然は、レクリエーションや精神衛生にとっても重要です。自然景観が精神的価値、宗教的信条や伝統的な教えと密接に結びついている文化も多くあります。

 

国連広報センターのパンフレット SDGs シリーズ「なぜ大切か」より

ターゲット 15.1 2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。

ターゲット 15.2 2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。

ターゲット 15.3 2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。

ターゲット 15.4 2030年までに持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系の保全を確実に行う。

ターゲット 15.5 2自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。

ターゲット 15.6 国際合意に基づき、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を推進するとともに、遺伝資源への適切なアクセスを推進する。

ターゲット 15.7 保護の対象となっている動植物種の密猟及び違法取引を撲滅するための緊急対策を講じるとともに、違法な野生生物製品の需要と供給の両面に対処する。

ターゲット 15.8 2020年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行う。

ターゲット 15.9 2020年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地方の計画策定、開発プロセス及び貧困削減のための戦略及び会計に組み込む。

ターゲット 15.a 生物多様性と生態系の保全と持続的な利用のために、あらゆる資金源からの資金の動員及び大幅な増額を行う。

ターゲット 15.b 保全や再植林を含む持続可能な森林経営を推進するため、あらゆるレベルのあらゆる供給源から、持続可能な森林経営のための資金の調達と開発途上国への十分なインセンティブ付与のための相当量の資源を動員する。

ターゲット 15.c 持続的な生計機会を追求するために地域コミュニティの能力向上を図る等、保護種の密猟及び違法な取引に対処するための努力に対する世界的な支援を強化する。

 

この目標15のターゲットには、2020年を目標としたものがあります。今年を目標にしているということですね。具体的な数値目標ははっきりしていませんが、気にかかるところです。

 

目標 15 の達成現状は?

2019年の国連の経過報告です。

こちらの経過報告も、残念な結果になっています。環境の悪化に歯止めがかかっていません。無くなってしまってから気づいても遅いのです。

 

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