ただの洋楽好きのオジサン ぶろっこり が、気ままにおすすめの洋楽をお届けしている @今週の洋楽 。
春めいてきた時期ですので、今回は、ロジャー・ニコルス Roger Nichols & The Small Circle of Friends の「ドリフター Drifter 」をピックアップしました。
ご存じの方も多いと思いますが、ロジャー・ニコルス Roger Nichols は、アメリカのミュージシャン。というより、ソングライターとしての方が有名なひと。元は俳優でシンガーソングライターのポール・ウィリアムズ Paul Williams と組んで、カーペンターズ Carpenters の「愛のプレリュード We’ve Only Just Begun 」や「雨の日と月曜日は Rainy Days and Mondays 」やスリー・ドッグ・ナイト Three Dog Night の「オールド・ファッションド・ラブ・ソング An Old Fashioned Love Song 」などのヒット曲、いわゆるソフトロックの名曲を数多く作曲しています。
しかし、日本ではちょっと違うんですね。それが、このアルバムです。
ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ
Roger Nichols & The Small Circle of Friends 1968
ロジャー・ニコルスは1967年にロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズを結成して、このアルバムと、7枚のシングルを発表しましたがまったく売れず、すぐに解散。日本では発売もされませんでした。ところが、10年以上たって、このアルバム「Roger Nichols & The Small Circle of Friends」が日本で世界初CD化されるや、爆発的な人気が出ます。いわゆる「ロジャニコ現象」なる大ブームが起きて、数万枚も売れたといいます。そして、80年代のピチカート・ファイヴなどの渋谷系音楽に多大な影響を与えることとなりました。そのため、このアルバムはソフトロックの伝説的な作品「聖典」とまで呼ばれています。
それにしても50年以上前の曲なのに、色あせない美しさ、まさにエバーグリーンな輝きです。シンプルで美しいメロディ、なめらかなコード進行、爽やかなハーモニー、完成度の高いサウンド、ソフトロックの「聖典」と呼ばれるのも頷けます。
オリジナルのレコードは、ビートルズやバカラック、キャロル・キング、ラヴィン・スプーンフルのカヴァーを含めた12曲。CDでは、シングル・レコードがボーナストラックとなって追加されました。
山下達郎氏 曰く「この曲嫌いな日本人はいないだろう」。たとえば、アルバムの1曲目「Don’t Take Your Time」。少なくとも、カーペンターズやパカラックが好きならば、きっと気に入ってもらえると思います。※この記事は、「山下達郎のサンデー・ソングブック ロジャー・ニコルス特集 2007年04月」と「カーペンターズのヒットを作った男~ロジャー・ニコルスの軌跡 濱田高志 2015年01月 NHK 」を聞きながら書いております。(^_^) ラジオが好きですね。もちろん録音ですが。
Don’t Take Your Time Roger Nichols & The Small Circle of Friends
そして、アルバムの後にシングルとして発表したこの曲「ドリフター Drifter 」もCD化の時ボーナストラックで収録され、彼らの代表曲となりました。そして、なんと40年ぶりにグループを再結成し、セカンドアルバム「Full Circle」(2008年)をリリース!その中で、この曲のみリメイクされて収録されています。ですから、この曲はふたつのバージョンがあります。
Drifter Roger Nichols & The Small Circle of Friends 1968
Once againThere’s a feeling inside of meNothing newI’ve felt it beforeLike the voice of hungerInside of me crying outThere’s got to be moreI’ll put my faithIn the arms of an open roadAnd you can come alongIf you choose‘Cause there’s placesThat I’ve never been toSunsets to be ridden intoNot a lot I can doBut give in to the drifterThere’s a drifter in meThough I’ve tried itI’m just not a settlerAnd nine to fiveDon’t make it with meWhy deny itIt makes me feel betterTo come aliveAnd prove that I’m freeI wear no chainsAnd I carry no heavy loadSo much to gainAnd nothing to lose‘Cause there’s placesThat I’ve never been toSunsets to be ridden intoNot a lot I can doBut give in to the drifterThere’s a drifter in me提供元: Musixmatchソングライター: Paul H. Williams / Roger S. Nicholsザドリフター 歌詞 © Irving Music, Inc.
旅行会社のCMに使われたと言うだけ合って、旅情をさそうような歌詞になっています。納得いくような訳が見つからないので、勝手な「ぶろっこり 訳」です。すみません (^_^)
The Drifter 放浪者
またまた 私の中に この気持ちを 感じる
初めてではなく 前にも感じたことのあるこの気持ち
まるで空腹をつげる声のように 心の中で叫んでいる
そして その声は どんどん強くなる
どこまでも続く路の上にあるもの 私はそれを信じよう
もしも よかったら 君も一緒に来ないか
まだ行ったことのない 場所があるから
沈む夕陽を 追いかける
僕にできることは多くないけど
旅したい想いに駆られる
僕の中には Drifter 放浪者 がいる
落ち着いた生活を試してみてもダメ
九時五時のきまった仕事もつづきはしない
生きがいを感じることができて
自由になることが約束されているのに
どうして行かずにいれるだろう
鎖に縛られてもいないし 重荷も無い
だから得るものはあっても
失うものは何もないんだ
まだ行ったことのない 場所があるから
まだ見たことのない 夕陽を探して
僕にできることは多くないけど
旅したい想いに駆られる
僕の中には Drifter 放浪者 がいる
うーん。若々しい想いにあふれた歌詞ですね。うらやましい。
セカンド・アルバムのセルフ・カヴァー ヴァージョン。
The Drifter Roger Nichols & The Small Circle Of Friends album “Full Circle” 2008
こちらが、ファーストアルバムのヴァージョン。
The Drifter Roger Nichols & the Small Circle of Friends album“Roger Nichols & The Small Circle of Friends” 1968
エンディングがぶっつりと終わっているのは、もともとデモ・テープを使用しているから。えっ、これがデモ。完成度高すぎる。この曲が初めてレコードになって世に出たのは、ハーパース・ビザール Harpers Bizarre のアルバム「Secret Life of Harpers Bizarre」(1968年) のようです。
高野寛の日本語詞も雰囲気でています。
The Drifter 高野寛
アルバム全部聴いていただきたい曲ばかりですが、人気の高い曲をもう一つ。ビートルズのカヴァーですが、いい仕上がりになっています。
With A Little Help From My Friends Roger Nichols & The Small Circle Of Friends
それでは、また。#97
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