@今週の洋楽 デイドリーム・ビリーバー Daydream Believer モンキーズ The Monkees 忌野清志郎 The Timers

今週の洋楽 ぶろっこり

音楽大好きの ぶろっこり が、気ままに気になる気分のミュージックをお送りする @今週の洋楽 。

夏休みスペシャルということで、ビートルズをたくさん取り上げましたが、ぶろっこり 個人的には、モンキーズがリアルタイムだったんですよね。現在でもオーディションで選ばれたメンバーでつくられたグループがたくさんありますが、その草分けというべきグループがモンキーズMonkees です。ということで今回は、「デイドリーム・ビリーバー Daydream Believer 」モンキーズ Monkees をピックアップ。

1964年イギリスのビートルズが空前のブームになったのに対抗するべく、アメリカのエンターテインメント業界がつくったバンド・スタイルのグループがモンキーズ。 オーディションをおこないデイビー・ジョーンズ Davy Jones、ミッキー・ドレンツ Micky Dolenz、マイク・ネスミス Mike Nesmith、ピーター・トーク Peter Tork の4人が選ばれました。ただ、まともに楽器を弾けたのはマイクだけだったとか。だから、ちょっとロックファンからは白い目で見られるところがあるんですよね。

ビートルズの映画「ヤァ!ヤァ!ヤァ!4人はアイドル」をヒントに作られたTV番組『ザ・モンキーズ・ショー』が全米ネットワークでオンエア。

「ザ・モンキーズ・ショー」第1話 懐かしい。これまた、YouTube で見ることができます。ありがたい時代ですね。

1966年、デビューアルバム「恋の終列車 The Monkees」とシングル「恋の終列車 Last Train to Clarksville」が全米チャートの1位の大ヒット。続く「アイム・ア・ビリーヴァー I’m A Believer」と「デイドリーム Daydream Believer」の2曲も連続して全米ナンバーワンに。

それもそのはず、プロデューサーにウォール・オブ・サウンドWall Of Sound で有名なフィル・スペクター、レコーディングにロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」で、ポップス史に残るイントロを叩いたドラムのハル・ブレインやサイモンとガーファンクルの「明日に架ける橋」のイントロのピアノで有名なラリー・ネクテルなどのいわゆる「レッキング・クルー The Wrecking Crew」が演奏しています。

ビートルズのようなオリジナリティはなかったものの、優秀なソングライターたちによって作られた楽曲は極上のポップスといっていいものでした。後に、再びブームがおこったのもそのためでしょう。

モンキーズは日本でも人気がありましたよ。特に女の子たちに。代表曲は、いつまでもエバーグリーンな輝きをもつこの曲。

 

Daydream Believer  The Monkees  1968
Chip Douglas: 7A…
Davy Jones: What number is this, Chip ?
Douglas (and probably another three Monkees member): 7-A !
Davy Jones: OK, know what mean, like don’t get you excited, man. It’s ‘cause I’m short, I know.
Oh, I could hide ‘neath the wings
Of the bluebird as she sings
The six o’clock alarm would never ring
But six rings and I rise
Wipe the sleep out of my eyes
My shaving razor’s cold and it stings
Cheer up, sleepy Jean
Oh, what can it mean to a
Daydream believer and a
Homecoming queen?
You once thought of me
As a white knight on his steed
Now you know how happy I can be
Oh, our good time starts and ends
Without dollar one spend
But how much, baby, do we really need?
Cheer up, sleepy Jean
Oh, what can it mean to a
Daydream believer and a
Homecoming queen?
Cheer up, sleepy Jean
Oh, what can it mean to a
Daydream believer and a
Homecoming queen?
Cheer up, sleepy Jean
Oh, what can it mean to a
Daydream believer and a
Homecoming queen?
Cheer up, sleepy Jean
Oh, what can it mean to a
Daydream believer and a
Homecoming queen?
Cheer up, sleepy Jean
提供元: LyricFind
ソングライター: John Stewart
デイドリーム・ビリーバー 歌詞 © Sony/ATV Music Publishing LLC

レコードでは歌に入る前に、レコーデングがうまく行かないデイビー・ジョーンズがプロデューサーのチップ・ダグラスに「何テイク目?」と聞いています。「7テイク」「了解!クールなみんなありがとう! 僕がチビなのは、わかってるから。」とジョークを言って始まります。
タイトルの「デイドリーム・ビリーバー」、Daydream は「白昼夢」ですが、ぼーっと夢見てるような人といったものでしょう。Homecoming Queenは、高校・大学のホームカミング・デイ(イベント)のミスコン優勝者。キャンパス・クイーンとかのこと。a white knight on a steedは「白馬の王子様」のイメージかな。夢見がちな僕と素敵な彼女の初々しい生活を歌っている感じです。

 

解散して10年後の1980年、日本ではカメラ・フィルムのCMで「デイドリーム・ビリーバー」が使われたことや『ザ・モンキーズ・ショー』の再放送をきっかけにモンキーズのリバイバル・ブームが起こりました。アメリカでもMTVでの『ザ・モンキーズ・ショー』再放送(1986年)をきっかけにリバイバル。そんなこともあって再結成や日本公演なども行われました。

そしてさらにその後、忌野清志郎の日本語カヴァーが、セブンイレブンのCMなどに使われて、多くのミュージシャンが歌うスタンダードになっていきました。

1989年に忌野清志郎が結成した覆面バンドのタイマーズ The Timers の「デイドリーム・ビリーバー」。

オリジナルとは異なる訳詞(zerry は清志郎のペンネーム)は、清志郎の実母のことを歌ったものだそうです。清志郎が父母ともに本当の両親ではないと知らされたのは、養父母が他界した年。親戚のおばさんが持ってきてくれた実母の遺品には、写真や文章・短歌などとともに実母が吹き込んだソノシートまであったとか。「Hey ! Baby 見てみろよ わーい、ぼくのお母さんて こんなに可愛い顔してたんだぜ こんなに可愛い顔して 歩いたり、笑ったり、手紙を書いたり 歌ったり 泣いたりしてたんだね」 清志郎は実母のエピソードを知ってほんとうにうれしかったと。

その時の感情は、2014年に公表されたノート『ネズミに捧ぐ詩』に「HAPPY」と題して書かれています。

ああ、何ていう気持ちなんだろう!
初めて恋人に会ったような気持ち
そう、初めて恋人ができたような気持ち
いや、それとはちょっと違うかな?
でも、恋人の写真みたい
なんだか、そんな気持ち
今まで見たどんな写真より、いい写真

37年近く生きてきて
とにかく初めての気持ちなんだ
とっても幸福な気持ち
だけど、涙がどんどん出てきちゃうのさ
気がつくと、ぼくの目に涙があふれてる
涙が流れ落ちるんだ
その可愛い顔が見えなくなっちゃうんだ
とても不思議だ。初めてだよ、こんなの
世界で一番可愛い顔なんだ

そういう気持ちを歌った曲だからでしょうか、なんとも言えない優しさや温かさを感じます。そんな清志郎も「今はもういない」。だけど、彼の曲を聞くと「ロックの魂は不滅だぜ」と彼に励まされるているような気がします。

 

最後までご視聴いただきありがとうございました。

それでは、また。#137

 

 

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