フィンランドの教育について第二回目です。
フィンランド在住の田中潤子さん、オンラインでお話を伺うことができました。
オウル大学の大学院で教育について学びながら、
いろいろな小学校でアシスタントをされているということです。
今回はお話を伺った中で、私がとても印象に残った2つについて書かせていただきます。
小学校の中で行われているマルチレタラシーと、ウェルビーイングのイベントです。
マルチレタラシーとは、
例えば英語の授業では日本の学校でもだんだん取り入れられて来ていますが、
美術と英語を結びつける、理科と英語、算数と英語などなど、
教科を超えて学ぶと言うことです。
グループ学習が多く、
あるグループはみんなで絵本を描きます。
そしてそれを英語でお話にするのです。
このように美術と英語が同時に学べるのです。
そして面白いのが、
クラスの中にはカーペットも敷いてあって、
英語での話をするときはそのカーペットにみんなで寝転んで、
くつろぎながら話したりします。
45分間の1クラスの中で、ずっと座っているという事はありません。
それから、ちょっと話はそれますが、
みんなよく塗り絵をしていたそうです。
塗り絵をすると、細かい作業をする、脳を活性化すると言う良い面があるそうです。
大人でも塗り絵って楽しいですよね。
私も子供たちのクラスに取り入れようかなぁと思いました。
次にウェルビーイングです、
このコンセプトが日本語には、ないなぁと思います。
無理して伝えるとすると、幸せであること、体と心が健康であること、そういう言葉になるでしょうか。
ウェルビーイングのイベントの日は、
学校の中にブースがたくさん設けられます。
子供たちは1日中そのブースを回って様々なことを学びます。
小学校5年生から9年生まで、丸一日ウェルビーイングについて学ぶそうです。
セクシャリティについて学ぶブース。
睡眠と食事について学ぶブース。
マインドフルネスについて学ぶブース。
自分の感情をコントロールする方法を学ぶブース。
とても小学生の勉強とは思えないです?
日本では大人になって、ビジネス書を読みながら学ぶような内容だなぁと感心してしまいました。
そしてフィンランドの子供たちは、
たくさんの、たくさんの読書をします。
フィンランドの図書館はとっても素敵です。
私は自分の教えている高校生たちを見ていて、
学校でも、学校が終わってから夜の11時まで塾でも、
受験勉強のドリルばかりを繰り返し、
自分の人生にとってどんな意味があるのかもわからない暗記をひたすら繰り返している、
そして読書をする時間などほとんどない、
そんな教育の現場をとても残念に思います。
若い頃こそ、たくさんの本を読んで、知識の大海を旅してほしいものです。
そのような姿勢こそが、
新しい、
誰一人置き去りにしない、
豊かな社会を作っていってくれるものだと思います。
日本の教育が目指すべき未来を垣間見た気がしました。
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