映画『ヒア アフター』”死”に触れて”生”と向き合う

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皆様こんにちは。毎週おすすめ映画をご紹介いたします小西です。

本日ご紹介するのは2011年公開、クリント・イーストウッド監督の映画『ヒア アフター』です。

 

 

霊能力者としての才能にふたをして生きているアメリカ人のジョージ(マット・デイモン)、津波での臨死体験で不思議な光景を見たフランス人のマリー(セシル・ドゥ・フランス)、亡くなった双子の兄と再会したいイギリスの少年マーカス。ある日のロンドンで、死に取りつかれた3人の人生が交錯する。

クリント・イーストウッドが監督を務めた生と死をめぐるヒューマンドラマ。劇中の大津波のシーンが、同年に発生した震災を連想させるとして、日本での公開が大幅に短縮された。

 

 

海外旅行中に大津波に巻き込まれ臨死体験をしたフランス人ジャーナリストの女性、双子の兄を不幸な事故で亡くし立ち直れずにいたロンドンの少年、かつて本物の霊能者として名をはせながらも自らの能力に苦悩し孤独に生きるアメリカ人男性。非現実である「死」に触れ、取りつかれたまったく別々の人生を送っていた3人がめぐり合っていく様子を描いた作品。

死後の世界を取り扱う作品でありながら、お涙ちょうだい的なストーリーでもおどろおどろしいビジュアルでもない、静かでスピリチュアルな雰囲気がすばらしい作品。それでいて、圧倒的な説得力と渋い雰囲気を醸し出す演出のバランスがとても見事です。終盤に大きな展開はありませんが、それがかえって「死」というモヤモヤした存在を婉曲的に表現してるように感じられました。

かなり抽象的な作品で、見る人によってかなり感想が分かれそうな作品ですが「生」と「死」という誰もがいつかは直面するテーマではこれくらい抽象的なほうが向いているのかもしれません。

宗教や死生観などを一度忘れて見てほしい作品です。

 

 

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