映画『スリー・ビルボード』3枚の看板から始まる人間ドラマ

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皆様こんにちは。毎週おすすめ映画をご紹介いたします小西です。

本日ご紹介するのは2017年公開、マーティン・マクドナー監督の映画『スリー・ビルボード』です。

 

 

ミズーリ州の田舎町。7か月ほど前に娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、犯人を逮捕できない警察に苛立ち、警察を批判する3枚の広告看板を設置する。彼女は、警察署長(ウディ・ハレルソン)を尊敬する彼の部下や町の人々に脅されても、決して屈しなかった。やがて事態は思わぬ方へ動き始め……。

アメリカの架空の田舎町で起こった事件を描くクライム・サスペンス。ベネチア国際映画祭で脚本賞やトロント国際映画祭で観客賞に輝いた作品。

 

 

娘を殺された母親が3枚の看板を設置したことがきっかけで次から次に表向きは平穏な田舎町に事件が巻き起こる様を描くストーリー。

実に見事に描かれた人間ドラマと心理描写でこの映画特有の殺伐とした空気感が創り出されています。主要登場人物には根っからの悪人は一人もいないのですが、終始お互いにいがみ合い続け、汚い言葉が飛び交う様子の人間臭さの表現は実に見事。特に、主人公のミルドレッドの無力ながらその怒りを全方位にぶつけることしかできない姿は心に突き刺さります。

秀逸に作りこまれた脚本や出演者たちの迫真の演技により生み出される”人間模様のピタゴラスイッチ”とでもいうような展開の数々に圧倒されます。

中盤以降繰り広げられる予測不能な展開で物語は思わぬ結末へと向かいます。怒りに燃える母親から始まるブラックな物語を高度なユーモアとともに描くまさに傑作です。是非一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

 

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