長期的に見ると、文明が進化し、人間の生活はどんどんと暮らしやすくなってきています。
しかし、この状況を、これからの先の未来にも、良いものにしていくために、
取り組まなければならない課題もあります。
その一つが、貧富の格差から生まれる
貧困問題です。
フランスの著名な経済学者ピケティ博士は、
最先端のビッグデータを、大学の研究者チームによって分析しました。
現代の貧富の格差が、第2次世界大戦後、急激な勢いで進み、
18世紀の王族、貴族の時代のように、固定した階級社会になってしまっていると警告を発しています。
この貧富の格差により、貧しい家庭に生まれた人は、どんなに才能があっても、努力をしても、少数の超富裕層に独占されてしまった上級階級には、入れない時代になっています。
この貧富の格差の固定化が問題です。
アメリカの経済学者は、TEDトークのスピーチで、
「アメリカンドリームは、もうアメリカでは実現できない。
アメリカンドリームを実現したいなら、デンマークに行け」
と言っています。
それに反して、超富裕層に生まれた人は、偶然その家庭に生まれただけで、膨大な資産を受け継ぎ、才能も努力もなしに富裕層として生きていくことができる、貴族の時代です。
ピケティ博士のチームは、戦後の資産が次世代へと受け継がれる、
この今のタイミングで
この格差を是正しなければならないと警告しています。
そのためには、タックスヘイブンを無くし、どの国でも、税金を平等に支払う仕組みを作り、貧しい時には、少ない税金、富裕層には、大きな税金を支払うという、累進課税を、
(現在の資本主義では、大企業優先の優遇財政が行われており、真逆です)
地球規模で
考える時期で、今こそ、それを実行すべきだと述べています。
では、現代のアメリカの実情を知るために、考えてみましょう。
現代の奇妙な現象は、貧困が肥満を起こしているということです。
昔は、お金持ちが丸々と太っていて、それが成功と富の象徴みたいなものでした。
しかし今では肥満に苦しんでいるのは、最も貧しく、飢えに苦しんで知る社会層なのです。
世界で最も豊かな国、アメリカを見てみましょう。
人口約3億3千人の中で、
毎日の食卓に十分な食事を用意できない人はどのくらいいると思いますか?
①5万人くらい
②50万人くらい
③500万人くらい
④その他
答えを決めたら次を読み進んでくださいね。
↓
↓
↓
↓
↓
答えは、④その他で、約5000万人です。
1700万人の子どもたちが含まれています。
あの世界一豊かなアメリカで!
五人に一人の子どもたちが、貧困の中で暮らしています。
四人に一人の子どもたちが、フードスタンプで暮らしています。
十人に一人の子どもたちが、次にいつ食べることができるかわからない状態にいます。
アメリカのミシシッピー州が最も貧困率が高く、疾病率も高い州です。
肥満、糖尿病、心臓病の人々が最も多く、平均寿命も低くなっています。
ミシシッピー州では、貧困率はどのくらいだと思いますか?
①2%
②5%
③10%
④その他
答えを決めたら次を読み進んでくださいね。
↓
↓
↓
↓
↓
答えは④その他で、20%の人々が貧困に苦しんでいます。
では、同じくミシシッピー州では、全人口のどのくらいの子どもたちが肥満に苦しんでいるでしょうか?
①4%
②14%
③40%
④その他
答えを決めたら次を読み進んでくださいね。
↓
↓
↓
↓
↓
答えは③の40%の子どもたちです。
では、なぜ貧困が、肥満や糖尿病を引き起こすのでしょうか?
答えを考えたら次を読み進んでくださいね。
↓
↓
↓
↓
↓
答えは、ジャンクフードの方が野菜を買うより安いからです。
そして、ジャンクフードは、炭水化物が多く、夕食に肉や野菜、果物を買うより、チョコバーやポテトチップで、食事を済ませる人が多いからです。
これらのジャンクフードは、糖質、脂質がほとんどで、十分な栄養が取れず、肥満になってしまうのです。
現代では、1ドルでは、野菜も買うことができません。
プロセスフード(ソーセージ、ウィンナー、などなど)も、大量生産が進み、新鮮な食材よりも安く手に入ります。これらの人口的な食べ物には、多くの添加物が含まれています。
政治が、このような貧困の連鎖を断ち、すべての人々に、最低限の人間らしい生活を保証するように(日本国憲法には明記されてますが)ならなければ、世界中で、さらに多くの人々がこのような貧困に苦しむことになるでしょう。
Based on 高校生 英語テキスト America’s New Poverty
コメント