映画『6才のボクが、大人になるまで。』12年もの撮影で得た人間のリアルな成長

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皆様こんにちは。毎週おすすめ映画をご紹介いたします小西です。

本日ご紹介するのは2014年公開、リチャード・リンクレイター監督の映画『6才のボクが、大人になるまで。』です。

メイソン(エラー・コルトレーン)は、母オリヴィア(パトリシア・アークエット)と姉サマンサ(ローレライ・リンクレイター)とテキサス州の小さな町で生活していた。彼が6歳のとき、母は子供たちの反対を押し切って祖母が住むヒューストンへの引っ越しを決める。さらに彼らの転居先に、離婚してアラスカに行っていた父(イーサン・ホーク)が1年半ぶりに突然現れ……。

12年間もの間同じ俳優を起用し続けるという映画史上初の試みに挑戦した作品。主人公俳優のリアルな成長とともに時代のリアルな流れを感じられる唯一無二の意欲作。

人の家の子供は成長するのが早いとよく言いますがこの映画を見れば2時間45分で他人の家の子の12年分の成長を見ることが出来ます。

少し長い映画ですが12年のリアルな成長を良くまとめあげたなぁと思います。当時はやっていた映画、音楽、文化に触れながら見る家族の歴史は凄まじい説得力を与えます。

ストーリーは特筆して濃いわけではないですが何気ない日常や日々の細かい変化がとても愛おしく感じられて見終わる頃には完全に親の目線になってしました。子供が成長して大人になっていく過程の親たちの心情変化を追体験できます。

こんなチャレンジングな作品を制作するのに際して、あまりに長期間の撮影であったため契約上の困難が多かったそうですが、よく制作しきったなぁと感じます。彼らにとっては仕事というよりも年に数度会う家族のような撮影環境だったそう。そのためかパーティーのシーンは本気で親戚が集まった場にカメラを持ち込んだホームビデオのような雰囲気を醸し出していて素晴らしい映像の連続でした。

成長していく人間のリアルを3時間にまとめた他に類を見ない傑作です。是非一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?

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