国連 SDGs(エスディージーズ)って 聞いたことありますか? その17 目標 14 海の豊かさを守ろう

国連SDGs

「SDGs(エスディージーズ)」という言葉を聞いたことがありますか。最近、新聞やテレビでよく見たり聞いたりするようになりました。けれども、日本ではまだまだ多くの人がSDGsがどういうものなのか、私自身を含めてよくわからないというのが現状ではないでしょうか。

「SDGs」とは、「Sustainable Development Goals」の略で、2015年9月に国連サミットで決められた「国際社会共通の目標」のことです。17のゴール(目標)・169のターゲット(具体的な目標)を決めています。

前回にひきつづき、SDGsの具体的な目標について調べてみました

海はプラスチックのゴミ捨て場?

海岸にうちあげられた,たくさんのプラスチックゴミを見たことがあるのではないでしょうか。

プラスチックの生産量は大きく増えていて,そのスピードは人口が増えるスピードより早くなっています。特に飲み物や食べ物の容器,荷物を運ぶときに使う発泡スチロールなど,包装に使うプラスチックの消費が増えています。

プラスチックのリサイクルが進んでいる日本と違い,世界のリサイクル率は1割ほど。大部分は燃やす,土に埋める,そのまま捨てられたりしています。その量はとても多く,あと30年で,海に流れついた大量のプラスチックゴミが海の魚の量を超こえるだろうという予想もあるほどです。

プラスチックは海の中で砕けて,小さな破片となり,それを魚や海鳥たちがエサと間違えて食べてしまいます。クジラのお腹から山のようなプラスチックが出てきた。同じような話が,多くの海の生き物やそれを食べる動物たちに起きているのです。

 

(記事・図は東京書籍EduTown SDGsのページより)

 

目標 14 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

Goal 14 Conserve and sustainably use the oceans, seas and marine resources for sustainable development

海洋と沿岸の生物多様性に生計を依存する人々は、30 億人を超えています。

なぜ、この目標が設定されたのですか。

海は食料や医薬品、バイオ燃料などの製品を含め、重要な天然資源を提供しています。海はまた、廃棄物や汚染物質の分解と排除に役立つとともに、沿岸生態系は、暴風雨の被害を軽減する緩衝としての役割を果たします。健全な海の維持は、気候変動の緩和と適応に向けた取り組みを助けます。海辺を訪れたことがある人なら、そこが観光と娯楽に絶好の場所であることも分かるでしょう。しかも、海洋保護区は、漁獲量と所得を増やし、健康を改善することにより、貧困の削減に貢献します。また、小規模漁業の主な担い手は女性であることから、ジェンダーの平等促進にも役立ちます。さらに、海洋環境には、単細胞生物から地球上で最大の哺乳類であるシロナガスクジラに至るまで、驚くほど多彩な美しい生物が暮らしています。海洋は、地球上でもっとも多様性に富む生態系のひとつを構成するサンゴ礁の生息地でもあります。

海は守る価値があるように思えますが、何が問題となっているのですか。

世界の海に流れ込むゴミの量が増えていることが、環境と経済に大きな影響を及ぼしつつあります。海洋ゴミが生物に絡みついたり、生物がこれを摂したりすれば、命を失うか、生殖が不可能になる可能性があるため、生物多様性が損なわれるおそれがあります。世界のサンゴ礁を見ると、全体の約 20%が事実上、破壊され、回復が見込めない状態にあります。残るサンゴ礁のうち約 24%は、人間がかける圧力によって差し迫った崩壊のリスクを抱えているほか、長期的に崩壊の脅威にさらされているサンゴ礁も 26%あります。
また、ずさんな海洋管理により、魚の乱獲が生じています。漁業部門における経済的利益の損失は、年間 500 億米ドル程度に上ると見られています。国連環境計画(UNEP)の推計によると、ずさんな海洋管理実践による経済への累積的影響は、少なくとも年間2,000 億米ドルに達しています。緩和措置がなければ、気候変動によって 2050 年までに、海洋への損害額はさらに年間 3,220 億米ドル増えることになります。

 

国連広報センターのパンフレット SDGs シリーズ「なぜ大切か」より

ターゲット 14.1 2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。

ターゲット 14.2 2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。

ターゲット 14.3 あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し、対処する。

ターゲット 14.4 水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。

ターゲット 14.5 2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。

ターゲット 14.6 開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する。

ターゲット 14.7 2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。

ターゲット 14.a 海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う。

ターゲット 14.b 小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する。

ターゲット 14.c 「我々の求める未来」のパラ158において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化する。

この目標14は、ターゲットがたくさんあります。やらなければいけないことがたくさんあると言うことでしょうか。基本的には、水産資源の管理と海洋汚染を減らすと言うことだと思います。地球の表面積の7割を占める海が、「死の海」になってしまわないように、生活の中でできることがたくさんありますね。

 

目標 14 の達成現状は?

2019年の国連の経過報告です。

海は1つの国のものではありませんし、その影響を考えると空気と同じくすべての人間にとってなくてはならないものなんですね。

 

 

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