「SDGs(エスディージーズ)」という言葉を聞いたことがありますか。最近、新聞やテレビでよく見たり聞いたりするようになりました。けれども、日本ではまだまだ多くの人がSDGsがどういうものなのか、私自身を含めてよくわからないというのが現状ではないでしょうか。
「SDGs」とは、「Sustainable Development Goals」の略で、2015年9月に国連サミットで決められた「国際社会共通の目標」のことです。17のゴール(目標)・169のターゲット(具体的な目標)を決めています。
前回にひきつづき、SDGsの具体的な目標について調べてみました。
- 産業を支えるインフラの整備
- 目標 9 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
- Goal 9 Build resilient infrastructure, promote inclusive and sustainable industrialization and foster innovation
- ターゲット 9.1 全ての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する。
- ターゲット 9.2 包摂的かつ持続可能な産業化を促進し、2030年までに各国の状況に応じて雇用及びGDPに占める産業セクターの割合を大幅に増加させる。後発開発途上国については同割合を倍増させる。
- ターゲット 9.3 特に開発途上国における小規模の製造業その他の企業の、安価な資金貸付などの金融サービスやバリューチェーン及び市場への統合へのアクセスを拡大する。
- ターゲット 9.4 2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う。
- ターゲット 9.5 2030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとする全ての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる。
- ターゲット 9.a アフリカ諸国、後発開発途上国、内陸開発途上国及び小島嶼開発途上国への金融・テクノロジー・技術の支援強化を通じて、開発途上国における持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラ開発を促進する。
- ターゲット 9.b 産業の多様化や商品への付加価値創造などに資する政策環境の確保などを通じて、開発途上国の国内における技術開発、研究及びイノベーションを支援する。
- ターゲット 9.c 後発開発途上国において情報通信技術へのアクセスを大幅に向上させ、2020年までに普遍的かつ安価なインターネットアクセスを提供できるよう図る。
- 目標 9 の達成現状は?
産業を支えるインフラの整備
生活を支え,産業の基盤となるのが「インフラ」です。道路や鉄道,上下水道,発電所・電力網,インターネットなど,わたしたちの暮らしのあらゆる面から支えています。
東日本大震災のような大きな災害では,インフラが破壊されることで被害がより大きくなり,復旧に時間もかかることになります。そのため,災害が起きてもなるべく早く復旧できるような仕組みや構造を持つインフラづくりが大切です。
また,途上国では,まだまだインフラが整っていない国や地域が多くあります。そういった国々では,電気,水道,道路はもちろん,これからの産業の発展に欠かせないインターネットの普及も遅れています。
先進国のインターネット普及率は約81%ですが,開発途上国では約40%,後発開発途上国(開発途上国の中でも特に開発が遅れた国)にいたっては,たったの18%。
(記事・図は東京書籍EduTown SDGsのページより)
目標 9 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
Goal 9 Build resilient infrastructure, promote inclusive and sustainable industrialization and foster innovation
産業化による雇用増加作用は社会に好影響を与えます。製造業で雇用が1 件増えるごとに、他の部門で2.2 件の雇用が生まれます。
なぜ、この目標が設定されたのですか。
経済成長、社会開発、気候変動対策はいずれも、インフラや持続可能な産業開発、技術進歩への投資に大きく依存します。グローバル経済の様相が急激に変化し、不平等が拡大する中で、持続的な成長は第1に、すべての人々が機会を利用できるようにし、そして第 2に、技術革新と強靭なインフラにより裏づけられた産業化を含むものとしなければなりません。
では、何が問題なのですか。
道路や情報通信、技術、衛生施設、電力、水といった基礎インフラは、多くの開発途上国で未整備となっています。信頼できる電話サービスを利用できない人々は、12億人程度に上ると見られます。全世界で23億人が基本的な衛生施設を利用できず、ほぼ8億人は水へのアクセスがありません。開発途上国では、産業的な加工を経た農産物が全体のわずか 30%程度にすぎません。産業化による雇用増加作用は社会に好影響を与えます。製造業で雇用が1 件増えるごとに、他の部門で2.2 件の雇用が生まれます。
なぜ心配すべきなのですか。
私たちの生活がかかっているからです。新産業の成長は、私たちの多くにとって、生活水準の向上を意味します。また、産業が持続可能性を追求すれば、産業化が環境に好影響を与えます。気候変動は私たち全員に影響します。
国連広報センターのパンフレット SDGs シリーズ「なぜ大切か」より
ターゲット 9.1 全ての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する。
ターゲット 9.2 包摂的かつ持続可能な産業化を促進し、2030年までに各国の状況に応じて雇用及びGDPに占める産業セクターの割合を大幅に増加させる。後発開発途上国については同割合を倍増させる。
ターゲット 9.3 特に開発途上国における小規模の製造業その他の企業の、安価な資金貸付などの金融サービスやバリューチェーン及び市場への統合へのアクセスを拡大する。
ターゲット 9.4 2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う。
ターゲット 9.5 2030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとする全ての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる。
ターゲット 9.a アフリカ諸国、後発開発途上国、内陸開発途上国及び小島嶼開発途上国への金融・テクノロジー・技術の支援強化を通じて、開発途上国における持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラ開発を促進する。
ターゲット 9.b 産業の多様化や商品への付加価値創造などに資する政策環境の確保などを通じて、開発途上国の国内における技術開発、研究及びイノベーションを支援する。
ターゲット 9.c 後発開発途上国において情報通信技術へのアクセスを大幅に向上させ、2020年までに普遍的かつ安価なインターネットアクセスを提供できるよう図る。
確かに、インフラの整備は、途上国で優先されるべきですが、日本も先進国の中では遅れています。また、イノベーションについては、日本が得意な分野でもあるので、この分野にもっと投資していくことが必要だと思います。
目標 9 の達成現状は?
2019年の国連の経過報告です。
軍事関係の予算を各国が削っていくと、インフラの整備が簡単にできるそうです。破壊よりも建設にもっと予算を割けば、争いも少なくなるという良い循環が生まれるのではないでしょうか。リーダーも一般市民も、この簡単な事実を知ってほしいと思います。
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