@今週の洋楽 ボーン・イン・ザ・U.S.A. Born in the U.S.A. ブルース・スプリングスティーン Bruce Springsteen 誤解されたメッセージ

今週の洋楽 ぶろっこり

音楽大好きの ぶろっこり が、気ままに気になる気分のミュージックをお送りする @今週の洋楽 。

映画「カセットテープ・ダイアリーズ Blinded by the Light 」(2019年)から、もう1曲。もちろんボス Boss の曲で、「ボーン・イン・ザ・U.S.A. Born in the U.S.A.」ブルース・スプリングスティーン Bruce Springsteen をピックアップ。

 

映画「カセットテープ・ダイアリーズ Blinded by the Light 」の中で、「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」の曲自体は使われていないんですが、友人がブルース・スプリングスティーンを誤解していることを主人公が訂正するシーンがありました。まさに、そう思っている人がまだ多いんですよね。

友 人:彼は、
主人公:古い?
友 人:米国人だ。「ボーン・イン・ザ・U.S.A. 」「星条旗万歳」なんて嫌だぜ。好きだとはな
主人公:あれは、ベトナム退役兵の帰国後の苦境を歌っている

ブルース・スプリングスティーン Bruce Springsteenのアルバム「ボーン・イン・ザ・U.S.A. Born in the U.S.A.」1984年 の1曲目。コンサートの1発目で歌われることも多く、観客を一気に盛り上げます。この高揚感が裏目に出てしまったんですね。

 

アルバム「ボーン・イン・ザ・U.S.A. Born in the U.S.A.」1984年 Wiki にも、こう書かれています。

ビルボードヒットチャートで全米第1位を獲得、84週連続トップ10入りした。タイトル曲「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」は、ベトナム帰還兵の苦悩を題材にしたものだが、同曲の大ヒットは作者の意図に反して、偏ったイメージを広めた。印象的なリフレインと豪快な演奏から、この曲は愛国歌であるという捉え方をされ、共和党の大統領候補レーガンの再選キャンペーンに利用されそうにまでなった。なお、スプリングスティーン本人は、熱心な民主党の支持者として有名である。

アルバムの大ヒットは、スプリングスティーンを一躍世界的スターダムに押し上げたが、同時に巨大な名声との格闘を強いることになった。

このアルバムは2012年までに世界で3000万枚以上の売り上げを記録している。

 

 

 

Born in the U.S.A. Bruce Springsteen  1984

Born down in a dead man’s town
The first kick I took was when I hit the ground
End up like a dog that’s been beat too much
‘Til you spend half your life just to cover it up now
Born in the USA
I was born in the USA
I was born in the USA
Born in the USA now
Got in a little hometown jam
So they put a rifle in my hands
Sent me off to a foreign land
To go and kill the yellow man
Born in the USA
I was born in the USA
I was born in the USA
I was born in the USA
Come back home to the refinery
Hiring man said, “Son if it was up to me”
Went down to see my VA man
He said, “Son, don’t you understand now?”
(Ok)
(No, no)
(No, no, no)
I had a brother at Khe Sanh
Fighting off all the Viet Cong
They’re still there, he’s all gone
He had a woman he loved in Saigon
I got a picture of him in her arms now
Down in the shadow of the penitentiary
Out by the gas fires of the refinery
I’m ten years burning down the road
Nowhere to run ain’t got nowhere to go
Born in the USA
I was born in the USA now
Born in the USA
I’m a long gone Daddy in the USA now
Born in the USA
Born in the USA
Born in the USA
I’m a cool rocking Daddy in the USA now
Hey
(Oh, no, no)
Woo
提供元: LyricFind
ソングライター: Bruce Springsteen
Born In The U.s.a. 歌詞 © Sony/ATV Music Publishing LLC, Universal Music Publishing Group

今回も、アルバムのライナーにある訳を紹介します。

ボーン・イン・ザ・U.S.A.    訳詞 三浦 久

死んだような生気のない町に生まれ
歩き始めるとすぐに蹴とばされた
最後にはたたきのめされた犬のようになり
人生の半分を人目を盗んで生きるようになる

U.S.A.で生まれた
俺はU.S.A.で生まれた
俺はU.S.A.で生まれた
U.S.A.で生まれた

俺はこの街で小さな問題を起こし
彼らは俺の手にライフルを握らせ
外国へ送り込んだ
黄色人種を殺すために

U.S.A.で生まれた
俺はU.S.A.で生まれた
俺はU.S.A.で生まれた
U.S.A.で生まれた

帰郷し、製油所へ行った
雇用係が言う、私の一存ではどうにも
退役軍人管理局へ行った
その男が言った  「まだわからんのかね」

俺の兄貴はケ・サンでベトコンと戦った
彼らはまだ生きているが、兄貴はもういない
兄貴の好きな女がサイゴンにいた
彼女の腕に抱かれている彼の写真だけが残されている

刑務所のすぐとなり
製油所の燃え盛るガスの火の近く
この10年、煮えくり返る思いで生きてきた
まったくのどんづまり、どこ行くこともできない

U.S.A.で生まれた
俺はU.S.A.で生まれた
U.S.A.で生まれた
俺はU.S.A.で生まれた
U.S.A.で生まれた
U.S.A.で生まれた
U.S.A.で生まれた
俺は、U.S.A.のクールなロッキン・ダディ

いつものように、訳しながら英語の勉強。

end up 〜 最終的に〜になる cover up 身構える、身を守る  refinery 製油所、製油工場 V.A. = Veterans Administration 退役軍人管理局 He said, “Son, don’t you understand now?” いわゆる「ベトナム帰り」に対する偏見か? Khe Sahn ケ・サン 激戦のあったベトナム南部の都市 Viet Cong ベトコン(ベトナム共産主義者の俗称) Down in the shadow of the penitentiary Out by the gas fires of the refinery 刑務所に入るか 製油所のつらい労働か という比喩? burning down the road 道を駆け抜ける

否応なく連れて行かれた戦争、ベトナム帰還兵にたいする冷たい視線、報われない生活とアメリカの陰を歌っているのに、ネイティブでも誤解してしまうという皮肉。歌詞をしっかり読むということは、大切なメッセージを理解すると言うことなんですね。

しかし、ライブはほんとに圧巻です。盛り上がってしまうのもしょうが無い。

 

 

 

最後までご視聴いただきありがとうございました。

それでは、また。#279

 

 

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